木俣創志 展

2008年12月1日(月)-6日(土) 11:30-19:00 日曜休
コバヤシ画廊 東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1F TEL 03-3561-0515

"描く"という行為がつくる曖昧な感性―――'08個展に

"木漏れ日"シリーズでは,主に,シルクスクリーンとエアーブラシのふたつの技法を使用しています.
シルクスクリーンを使用しているのは,植物の形状をなるべくそのまま提示するためであり,エアーブラシを使用しているのは,太陽光の微妙な揺らぎを表現するのに適しているからです.
何故そうなったか――それを今一度,自身の反省も込めて考えてみます.
シルクスクリーンはデジタル的,としばしば言われます.表現が本質的にall or nothingであり,いわゆる"地と図の関係"が明瞭となる点で,他の美術技法には求めにくい割り切りのよさを備えているからでしょう.
一方のエアーブラシは,絵筆などではとうてい及ばぬデリケートなハーフトーンを可能とし,その意味で――こちらはあまり語られませんが――大変にアナログ的な技法であると私自身は考えています.
そして,ふたつの技法に共通するのは「絵筆の痕跡を残さない」という特徴です.
今回の作品の一枚一枚は,いわば,そのふたつの技法の本質的な長所――デジタル的要素とアナログ的要素の最良の部分――を極限まで推し進め,キャンヴァス上でブツケ合い,融合しようとする試みだったとみています.
その際,「絵筆」による表現が最小限となったことで,"描く"という行為がつくる曖昧な感性がきわめてクリアに削ぎ落とされました.勿論私にとっても,「絵筆」による表現(ストローク,タッチなど)は絵画の持つ最大の魅力のひとつですが,今回はそれを敢えて抑制し,それを消去した後の残滓を呈示できればと思いました.というより,モティーフがそうさせた,と言った方が正確でしょうか.
作品について尋ねられることの多い技法面についてあれこれ述べましたが、そんな理屈はともかく、"疲れた人々に癒しを与えるホテル"のような空間になればと願っています. [ 2008.11.30. 木俣 創志 ]

木洩れ日08-Ⅰ(部分)


木洩れ日08-Ⅲ(部分)


木洩れ日 08-Ⅵ(部分)


木洩れ日08-Ⅱ

関連情報 木俣創志 展 2007 木俣創志 展 2005

略歴:
東京芸大大学院修了/1990日仏現代美術展(パリ国立グランパレ美術館)/1992.94. 96. 個展(TEPCOギャラリー,東京)/1994-97,2001-02TAMON賞展(柏市民ギャラリー,千葉)/1999-07デッサン展(ギャラリー52,東京)1997.1999-08個展(コバヤシ画廊,東京)/2001-02,8月,北海道標津町"芸術・文化の里"にて現地取材・制作/2004 第1回とよたトリエンナーレ(豊田市美術館,愛知)/ほか

(C) 木俣創志