馬渡吟治郎
「テキサス無頼」

2007年3月8日(木)-20日(火)

Galeria de Muerte

東京都台東区東上野3-32-1-3F

TEL 03-3835-8278

関連情報

馬渡吟治郎 画歴
1974 東京生まれ
2003 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画技法・材料 修了
個展
2003 「人間に思い、馳せ巡る。」 Pepper's Gallery(東京)
2005 「欲しいの。」 ギャラリーエス(東京)
グループ展
2002 「常設展」 アートギャラリー環(東京)
2006 「mail」 ギャラリーエス(東京)
2007 「Dark Matter:New Work from Japan」 OkayMountain(アメリカ・テキサス州)

・・・タイトルは「テキサス無頼」。面白いタイトルですね。

今回展示した作品はテキサス帰りなんですよ(笑)。前回のグループ展でOkayMountain(テキサス州オースティンにあるギャラリー)からオファーがありまして、日本のアーティスト6人がグループ展(Dark Matter: New Work from Japan)に参加しました。1月末から1ヶ月間展示をしていたのですが、その後僕の友人がこのムエルテ画廊をオープンしましたので今回こちらで展示することになったのです。

・・・テキサスでの評判は如何だったのでしょうか。またムエルテ画廊は従来の画廊のイメージとはかなり違いますね。

日本ではベロストラップが二、三本しか売れなかったんですけれど、向こうではとりあえず初日に半分ぐらいは売れたみたいです。まだ詳しいことはわかりませんが、立体作品もオファーが来ているみたいです。
画廊については、ムエルテというのはスペイン語で「死」を意味します。この画廊のコンセプトはArt + Underground record。半分が画廊で半分がアングラのレコードショップなんです。画廊というと敷居が高いイメージがあるけれど、ストリートから発信するような感覚も悪くないかと思っています。

・・・内部は死を象徴するレコードやグッズ、PHOTOに囲まれていますね。こちらで展示された理由のひとつに「死」を意識してということもあるのでしょうか。毒々しい真っ赤な舌やトゲのある子どもを見ていると、ある意味社会に対するアンチ的なメッセージ性を強く感じるのですが・・。

虐待や殺戮はテレビニュースでインプットされる部分がありますよね。赤い舌は死というよりも、鳥の雛がエサを欲しいときに赤い舌を見せると親鳥があげる習性があるので、雛のベロをイメージして描いたものです。ですから死体が好きとか、トゲがあるからCoolとかではなくて、そういう形を提示することで・・・例えば死のイメージがついているとしたら逆にヴィダ(生)を感じてほしい。多分ムエルテ画廊のスタンスもそういう感じだと思います。

・・・メメントモリを思うことによって、「生」を肯定するということですか。

それは人だけが特別に思うことだとは思わないのです。以前酒を飲んでいて夜中に帰る途中に、猫が車に轢かれていたんです。まだ轢かれたばかりだったのですが、距離を置いて周りに20匹ぐらいの猫がずっとその猫を見ているんですよ。なぜ見ていたのかわかりませんが、多分死を見ることによって生を感じていたのではないかと・・・。かといってそれを推奨するとかではなくて、身の周りや社会で起きている様々な出来事など、僕にとっては矛盾を感じることを形にすることで、逆説ではないですがリアリティーを感じるといいますか。それを表現することで、今いる自分の位置を確かめられるように思います。メッセージ性については、よく人から強すぎると言われるんです。メッセージ性がないわけではないけれど、言葉では言い得ないモヤモヤとしたカオスのようなものが、僕が作品を作る上でのモチーフになるわけです。それがうまく形として成立してくれれば、存在として開示できる。そういう意味合いからいいますと、平面の作品は、例えばこの赤い舌の作品であれば、赤い舌の部分だけが見えすぎてしまい存在として成立していない。まだ自分が形にしきれていないということなんです。

・・・確かに存在が開示する部分では、平面作品よりも立体作品の方がリアリティーを感じます。カオスが突き刺さってくるようなイメージを感じるといいますか。

最近立体作品も少し引いているように思うのです。ですから今回の展示は総括する意味で、2003年から2006年までの作品をならべてみました。これを踏まえて秋までには等身大の立体を二点制作してみようと思っています。もっと存在を開示させて、そこからもう一度平面に対する考え方を構築してみようと思っているのです。

〜20日(火)まで。

(c)Mawatari Ginjiro