


私は毎日の日常生活を通して自身に問いかけながら、見えそうで見えない軸を探し続けていきたい。それは自分を見つけていく行為ではないかと思うのです。そういう行為のメタファーとして石鹸を使ったといいますか。
| 1966 横浜生まれ 1989 女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻卒業 1990 女子美術大学院洋画研究科修了 |
| 1993 藍画廊,東京・西瓜糖,東京 1995 藍画廊,東京 1996 藍画廊,東京 1997 藍画廊,東京・西瓜糖,東京 1998 藍画廊,東京 1999 藍画廊,東京 2000 藍画廊,東京・西瓜糖,東京 2001 藍画廊,東京 2002 藍画廊,東京 2003 ギャラリーGAN,東京・西瓜糖,東京 2004 GALERIE SOL,東京・藍画廊、東京 2005 GALERIE SOL,東京・藍画廊、東京 2006 藍画廊、東京 |
| 1988 アートスペースコア.東京・グループ展 大倉山記念館.横浜 1990 4人展 目黒美術館ギャラリー,東京 1991 インデペンデント展 パルテノン多摩,東京 1992 7人展 目黒美術館ギャラリー,東京 1995 グループ展 野村ビル玄関ホール,東京 2001 「美」と「術」藍画廊,東京 2002 TEN展 藍画廊 2003 栞店,仙台・栞展 藍画廊 2004 TRACE展 GALERIE SOL,東京・アートシャワー横浜展.横浜 |
・・・素材は石膏。すり減っていく過程ごとに石鹸を型どりして今回は垂直に展示されたわけですね。上から数えて7番目がほぼ原型に近いのですが、実はこの基になった石鹸は洗濯石鹸なんです。手作りなんですよ。小さくなって来たら新しいのに取り替えて、毎日使っていたものです。何故洗濯石鹸かといいますと、石鹸であれば、何でも良かったんですけれど、洗濯石鹸は衣服を洗うものですよね。その動作に伴う石鹸の減り方が1番分かりやすいのではないかと思ったからです。また作品は一点のみ、画廊の空間にできるだけシンプルに展示しました。それは自然体でいたいという自分の気持ちが反映されているからかもしれません。
「軸をさがして」というタイトルは、私はダンスをやっているんですけど、ダンスというのは体の軸を中心に動きます。軸がないと例えば回転もできないし、まっすぐ飛ぶこともできない。ですからダンサー達は、身体の軸を見つけるためのレッスンを毎日やるわけです。
私のダンスは身体のドローイング。身体を通じて感じたことを作品として表現しているのです。ですから背骨ぽくみえるかもしれません。ただ背骨が身体の中心のなのかといえばそうではなく、軸は背骨の回りの筋肉の力を抜きながら探していく・・・イメージとしては頭の中心部を糸でつっている感覚と言えば分かりやすいでしょうか。ただ踊りをやっていない人でも、毎日の日常の営みを通して心の軸みたいなものを感じているのではないかと思うんですよ。
・・・気持ちと体は繋がっているから、日常の中で心の軸は毎日微妙にずれていきますよね。軸を見つづけるのはとても難しいのでは。そうですね。でも私は毎日の日常生活を通して自身に問いかけながら、見えそうで見えない軸を探し続けていきたい。それは自分を見つけていく行為ではないかと思うのです。そういう行為のメタファーとして石鹸を使ったといいますか。前回に制作した「にくと骨と皮膚と夏休み」でも、芯の部分(骨)に自分の体を洗った石鹸の型どりを使っていたのですが、骨というのは、死んでからしか見えないもの、実際にそれは見えないモノだけれどもそれをイメージするということが、美術的かなと思うのです。美術とはそういうものではないかと。
イメージしてもらうことが大事なんです。見せないで感じとってもらうというか。軸のある感じも人それぞれで全く違うから、そこでそれぞれに想像してもらう。見えないからこそ、やっていて面白いわけです。探していく作業の面白さといいますか。それが私が望んでいる美術かなと思っています。
(c)WAKAMIYA AYAKO