Kaleidscopic Gallery Scene 

福島現代美術ビエンナーレ2006 2006年9月27日-10月9日
  http://www.culture-center.fks.ed.jp/bienna/

  【会場】 福島県文化センター3F展示室及びギャラリー 福島市春日町5-54 024-534-9191
  企画・主催/福島現代美術ビエンナーレ実行委員会
  事務局/ 福島大学絵画研究室 TEL&FAX 024-548-8226 
         財団法人福島県文化振興事業団 TEL 024-534-9191 FAX 024-536-1926

展覧会の趣旨
1.福島に関連したテーマ
2.若い表現者たちの多彩な芸術作品
3.福島から発信する国際文化

「福島現代美術ビエンナーレ2006」 展

 「福島現代美術ビエンナーレ」 展は、2004年に福島大学の絵画研究室の学生が中心となって、福島で 「現代美術」 を紹介する展覧会を企画運営することで始動しました。
 二年の時を経て、2006年展はより拡大充実され、福島県文化センター、福島文化振興事業団との共同開催により、国内外の作家160人が参加し、スタート致しました。

 テーマは 「空」。
 これは高村光太郎の最愛の妻、智恵子の言葉を詩とした作品が関連しています。

「智恵子は東京に空が無いと言ふ。ほんとの空がみたいと言ふ。・・・・阿多多羅山の山の上に毎日出てゐる青い空が智恵子のほんとの空だといふ。」 (高村光太郎作 あどけない話より)

 阿多多羅山とは福島県北部の安達太良山を指します。頭上はるかに高く広がる切れめのない空間、世界はこのような同じ 「空」 で繋がっています。その 「空」 を美術で扱った場合は、作家それぞれの視線も違えば、色々な表現も生まれてきます。

それぞれの作家にとっての空とは・・・。

 例えばAir Plug(先月まで文化庁の派遣でニューヨークに滞在していた井上尚子さんと音響作家の柴山拓郎さんのコンビ)は、智恵子抄「レモン哀歌」に触発されて、エレベーターをレモンの香りのする小部屋へと変容させました。

 他にも実際の虹を水と鏡を用いて生み出す吉田重信さん、20mもの虹の絵を和紙で制作し,文化センターの中央ホールにかけた靉嘔さん、青空を描写したものや、網目を 「茜雲」 に見立てた宇宙を表したものなど多数展示されています。中でも他国の作家は私たちが当初、考えてもいなかった 「空」 を沢山見せて下さいました。

 バングラデッシュの作家は、自身の親が経験した独立戦争のイメージが強く焼き付いており、空を見上げると爆弾の降ってくる恐怖感を、現在の平和な空と重ねて描いていました。

 また中央アジアの作家は、以前より民族間紛争が絶えないコソボと隣国の境界線上の風景を提示し、世界をつなげる空に対峙した、人間の意識の中の「境界線」に着目しています。

 またロンドン在住の高橋加寿子さんは、世界をつなぐ空と自国心やアイデンティティーの問題を、ハーフの子供たちをクローズアップした写真を撮ることで模索していました。

 ポーランドの作家は、福島にある廃校を再利用した宿泊施設をとりあげ、共同空間におかれたベッドの撮影を通して、不思議な 「境界」 のない空を提示しています。他にも同時代に生きる作家がそれぞれの持つ問題提起を、芸術を通した国際的な文化交流の場で繰り広げていまるといえるでしょう。

 「現代美術」 というと、まだ一般には 「難しい」 とか 「堅苦しい」 イメージがあるようですが、今回の展覧会を実際に体感していただき、様々な「空」の表現を通して、現代美術を身近なものとして受け取っていただけました。10日間の来場者も多く、2500以上になったと聞きます。日本では現代美術を紹介する場は未だ広がってはおりません。美術を特別なもの、自身の生活とは関係のないもののように考えている方も多数おられると推察致します。今回の「福島現代美術ビエンナーレ2006」では、このように地域の方々と多国籍の若手作家との交流を目指しております。

 

関連イベント

【シンポジウム】

司会:渡辺晃一
アドバイザー:宮脇理
パネラー:
・佐垣慶多/福島大学大学院教育学研究科在籍。(2006年 モダンアート展 協会賞・損保ジャパン美術財団奨励賞)
・中村文則/小説家。福島大学卒業(2005年「土の中の子供」で芥川賞受賞)
・平山素子/コンテンポラリーダンサー、振付家(1999年 世界バレエ&モダンダンスコンクールにて、モダンダンス部門金メダルとニジンスキー賞ダブル受賞)
・和合亮一/詩人。福島大学大学院修了(第1詩集「AFTER」で第四回中原中也賞受賞。第4詩集「地球頭脳詩篇」で第47回土井晩翠賞)

街なかで作品に触れる 「ArtTownアートタウン」、「パフォーマンス」 による美術作品、ダンスや詩の朗読会、さらには海外作家の講演会、ワークショップなど。

関連企画 「平山素子 ダンス パフォーマンス」 (終了後のミニインタビュー)

「展示を拝見してから、一つ一つの条件を発見してダンスが成立してきたと思います。今回劇場とは違う、その場でトラベリングする不思議な場の力を感じました。一応構成の軸はあるのですけれども、こちらが、こういう物語ですと説明はしなくても、ご覧になる方と一緒にトラベリング出来たように思います」

 

展示風景

Kaleidscopic Gallery Scene