澤田志功 彫刻展

2006年9月4日(月) 〜 16日(土)

ギャラリーアートもりもと
東京都中央区銀座3-7-20 銀座日本料理会館2F
TEL: 03-5159-7402 会場時間: 10:30 - 18:30

プロフィール
1965 東京都に生まれる
1988 東京芸術大学美術学部彫刻科卒業
1990 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了
1998 第7回現代日本具象彫刻展優秀賞(千葉)
1999 第14回富嶽ビエンナーレ展佳作賞受賞(静岡)
2000 第35回昭和会展招待出品、日動美術財団賞受賞(日動画廊・銀座)
2006 第8回大分アジア彫刻展大賞受賞
<個展>
1991 「RHAPSODY」ギャラリー219(東京)
1992 「月の霊気」ときわ画廊(東京)
1995 「LUNATIX-月光密造者達-」ギャラリーなつか(東京)
1997 「THE RESTAURANT OF NIGHTMARE」ギャラリー美游(東京)
2000 「書庫に眠る天球儀」ギャラリーイセヨシ(東京)'03
2003 「呼吸する太陽」ギャラリーオカベ(東京)'05
2006 「輪廻のかたち」ギャラリーアートもりもと(東京)
天王洲セントラルタワー・アートホール(東京)
<グループ展他>
1989 二人展(ギャラリーK・東京)
1990 二人展/平面作家とのコラボレーション(アートギャラリーK2・東京)
1993 現代音楽コンサート’93コンテンポラリークラシックス・舞台美術(先斗町歌舞練場・京都)
第57回新制作協会展(東京都美術館)'94,'96'〜99,'01
1999 企画・建築空間への提案(アーキテクチュアルショールーム・名古屋)
イセヨシアニュアル’99(ギャラリーイセヨシ・東京)
2001 siteー彫刻家たちー(ギャラリーアートもりもと・東京)以後’06
2002 アートヒル三好ヶ丘彫刻フェスタ(マケット入選)
2005 転生する立体展‐開かれた彫刻の地平へ‐(日本橋三越本店)
アートフェア東京・ギャラリーアートもりもとブース(東京国際フォーラム)
<作品設置等>
千葉県立美術館
笠間日動美術館
群馬県庁(駐車場壁面及び入り口)

 

澤田志功氏インタビュー

2006年9月4日(月) 〜 16日(土)

・・・テーマは「輪廻のかたち」

今回は「生」と「死」という根源的な主題をテーマに制作致しました。

・・・2000年の「書庫に眠る天球儀」から作品を拝見しておりますが、以前は宮沢賢治に触発されて制作されているとお聞きしましたが・・・。

若いころは、宮沢賢治に夢中になっていたころもありました。でも今はあまり固執しないようにしています。むしろ自分の中から出てくる自然な形を追うようにしているんです。

・・・ある意味ファンタジーから距離を置くということですか。

自分としては童話チックな世界とか、ある主の文学性みたいなものがすごく好きなので、これからも創り続けるつもりなんですけれど、昨年あたりから、世の中の不安な状況に目をつむることが出来なくて・・・例えば環境問題や社会状況を考えれば考えるほど、混沌とした怖さみたいなものを感じてしまって・・・。色んな状況が一つの不安を生み、それが連鎖することで臨界点へと繋がっていくのではないか。それに対して自分は「何か」を表現しなければという気持ちになりました。それが「生と死」を見つめることだったんです。

・・・「生と死」が鴉と兎に象徴されているわけですね。黒は死、白は再生という意味合いもあるのでしょうか。混沌の怖さというのは、いつの時代でも人間からはぬぐいされないものだから、そこから普遍的なものが見えてくるのかもしれませんね。

そうですね。鴉というのはいってみれば、死といいますか崩壊していく状況、或いは聖書でいう堕天使。天使が落ちて悪魔になってしまうようなそういう象徴みたいなものです。兎は今までもずっと作っていたのですが、今回のテーマでいえば、新たな再生の象徴ですね。一度崩壊したものから生まれ変わってくるといいますか。ただその生まれ変わりは、今までの繰り返しではなくて、新たな形に変貌していくようなイメージ。ミューテーションという言い方がわかりやすいかもしれません。

・・・ミューテーションといいますのは?

突然変異とか生物の遺伝形質が親の形質と異なって現れることをいいます。例えば顔が複数ある「Lunatic Plant」は、異質なものへと進化を遂げたものというイメージで制作しています。タイトルにはどれも、Lunaとかmoonとか月という言葉を使っています。月に見立てた状態なんですけれども、植物のカタチが見て取れるのは、生命の息吹を感じて欲しいからなんです。

・・・社会に目を向けたと言われましたが、澤田さんにとって、鴉と兎というのは人間のメタファーとしての存在ですか。

学生の時からずっと人物を制作して来まして、その延長で今も作り続けているのは、人物なんです。一番美しいと思うのは人物の形だし、彫刻の仕事というのは究極は人物を作ることだと思うんですよね。それは「自分自身を作る」という言い方にも繋がるかもしれないけれど、結局自然律の中に内包している自然の本質の構成美みたいなものを追い求めていくと、人物の形というのは究極の美しさだと思うし、それをどう表現するかということを、どの彫刻家もチャレンジしている。僕はたまたまその手段として動物や鳥の形を使っているんじゃないかなと思っています。いまだに発想をプランしていて、このアイデアは人の形にした方が面白いなという部分があることはあるんですよ。でもそれを自分の形にしなければいけないというブレーキが、まだどこかでかかっているんです。

・・・ブレーキですか。

ただ、ここから先は自分自身も新たに生まれ変わって、発展させていかなければということは考えています。大学を出てから20年以上作品を作り続けています。ずっと塑像を作ってまして、木彫を初めてからは10年になります。今では自分の表現自体が木彫にあっている気がしていますが、塑像出身だったので、寄せ木の手法が多いんです。削っていく彫刻ではなくて足していく彫刻。ですので理想をいえば、一本の木から彫り出したいという気持ちはありますね。木彫は木とのコミュニケーションが基本です。これから先も「生と死」に目を向けながら、木とじっくり対話しながら制作していきたいと思います。

〜16日(土)まで。

9月11日(月)-29日(金)
澤田志功 彫刻展
天王洲セントラルタワー・アートホール
東京都品川区2-2-24 天王洲セントラルタワー1Fロビー
03-5462-8811 土・日・祭日休
8:30-20:00

(c) SAWADA SHIKO