Kaleidscopic Gallery Scene

大竹英志展
2005年10月3日(月)-8日(土)



ギャラリー椿 GT2
東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F TEL 03-3281-7808 
a.m.11:00〜p.m.6:30(最終日p.m.5:00まで) http://www.gallery-tsubaki.jp/tsubaki.html


1995 第24 回現代日本美術展(東京都美術館 他)・個展(真木・田村画廊)
1996 個展(日辰画廊)・第4回浅井忠記念賞展(千葉県立美術館)
1997 個展(la galerie リヨン)
1998 第27 回現代日本美術展(東京都美術館 他)・個展(GT2)・Chiba Art Flash(千葉市民ギャラリー・稲毛特別企画展)
2001 EXPO FACON JAPON-I-2001(la galerie リヨン)
2002 日本コンテンポラリーアート展inリヨン-2002(リヨン市立ギャラリー)
2004 個展(GT2)


写真に取った自然の情景をとことん見つめながら制作しています。エアブラシで描いていて、鉄錆びも使っています。鉄錆びは日常使っている鉄が自然に帰って行く姿であるととらえています。


・・・テーマは「INOCHI」。タイトルに「Cloudscape」とつけられていますがどういう結びつきなのでしょうか。

ある日雲が描きたくなって、雲を描きはじめて・・・雲をじっと見ていると、湧き上がってくるまるで生きているようなすごいエネルギーを感じるんです。そのイメージが強く出ている作品には、「INOCHI」というタイトルをつけています。雲が描きたくなったのは、家族を病気で亡くしたものですから・・・。それはなぜかと具体的には説明できませんが、上を見上げたんです。そうしたら普段は何気なく見ている雲がとても美しく見えて来たんですよ。自然現象の中で出来上がってくる形は、自然界の規則に従って、風の流れでいろいろと変化する。その様はとても魅力的でした。

・・・上を見上げる気持ちというのは、とても切実で、切ない気持ちを感じます。DMを拝見したときに、力強く湧き上がっている雲がとても印象に残り、タイトルが何故「INOCHI」なのかと思ったんです。以前から雲を描かれているのでしょうか。

今回も何点か展示しましたが、以前は水面を描いていました。

・・・水面ですか。

以前から「人と物質」との関係を考えて制作していたんですが、そこから環境問題にまで発展して、水面を描くようになりました。タイトルに「TOKI」とつけましたのは、佐渡の朱鷺の絶滅の問題と、水面の揺れに時間的な流れをからませたからです。

・・・「人と物質」との関係をもう少し説明して下さいますか。

絵とは何かと突き詰めて考えたときに、絵画は物質でできているにも変わらず、描き手の人間性が現れるじゃないですか。単なる物質ではなくなって、そこにドラマが生まれるわけです。
でもそのドラマは絵の具やキャンバスなどの物質の支えなしでは成り立たない。
そこで絵画の中に、物質を単に支えるものとしてではなくて、表面に出してみようと試みたんです。それを構成していくと、作品と見る側との間に、新たなドラマが生まれてくるのではないかと思っています。

・・・それで物質として画面に痕跡のような茶色いシミが描かれているのですね。

あれは鉄錆びです。

・・・鉄錆びですか?

人類は鉄の力をもって繁栄し、文明を築き上げて来ました。その使命を終えた鉄は、放出されて錆びて自然な状態に戻っていく。その流れが作品を制作していく上でキーポイントになり、今も継続して使っています。最近はまだ試行錯誤中で完璧ではないんですけど・・・雲と錆びの組み合わせに挑戦しているんです。

・・・雲と錆びの組み合わせは・・・物質と生命が絡まりあっているような不思議なイメージを醸し出しますね。

空の色は何色だろうと考えると、一般的には、青空は青と決まっていますよね。でも宇宙は漆黒の黒だから空気が無色透明であれば、黒く見えるのではないか。実はあんなにきれいに見える青は、宇宙と地面との間に青い物質があるせいなのかもしれない。そういえばよくわからないけれど、オゾン層が青いと聞いたことがある・・・。もしかしたら空の青にも青い鉄が含まれているかもしれないという気がするんです。プルシャンブルーが鉄の青、プルシャンブルーは、紺青といって一般にフェロシアン化カリウムの溶液に硫酸鉄と酸化剤を加えて作られていますからね。そういう視線で見ているので絡まりあっているように見えるのかもしれませんね。

・・・なるほど。そうするとこれからも青を求めて・・・。

今は鉄錆びを青くできないかと考えています。絵の具の青とは全然違う変化に富んだ画面ができるのではないかと、それと雲を合わせて制作していこうと思っているんです。

〜8日(土)まで。

(c)OTAKE Eiji


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